うつ病|症状・原因・治療法

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うつ病とは

うつ

気分の落ち込みを特徴として、食欲の低下、眠れない、楽しめていたことから興味がなくなった、といった抑うつ感が長期間(2週間以上)続く病気です。主に強いストレスが発症の引きがねになる。ストレスは、体内のホルモンバランスを崩してしまうので、それによって脳の機能に障害が起きている状態です。

治療では、SSRIなど抗うつ薬の研究が進んでおり、早めに治療を開始することで早期回復が期待できます。しかし、再発率が60%以上と非常に高いため、薬による治療だけではなく、認知行動療法などの心理療法を合わせて実施することで再発率を下げることに成功しています。

なお、認知行動療法のマインドフルネス認知療法(MBCT)というグループ療法が、うつ病の再発防止に特化した治療として効果をあげています。

  • 生涯における発症率:10~20%
  • 女性は発症率が男性の「2倍
  • 初回の発症は20代後半から30代に多い
  • 田舎よりも都心部で発症率が高い
  • 治療により約80%は3ヶ月以内に回復する
  • 再発率は60%、再発するとさらに再発率が上がる

ちなみに、大うつ病とはうつ病の正式名称「Major Depressive Disorder」を和訳したもので意味は同じ。

うつ病の症状

ぐったり

主症状

  • 抑うつ気分
  • 楽しめていたことに興味がなくなる
  • 活力が落ちてすぐに疲れる

副症状

  • 集中力や注意力が低下する
  • 自信がなくなる
  • 自責感が強くなり、自分が無価値に思える
  • 将来に対する希望がみえない
  • 自傷を考える
  • 睡眠障害(早朝覚醒など)
  • 食欲の増減

主症状と副症状が2つ以上あり、2週間以上続いている場合にうつ病と診断されます。また、症状の数によって軽度、中度、重度の診断がなされている。重度の場合には、現実と異なる妄想に囚われたり、幻聴などの症状も起こることがある。

うつ病の原因

症状

  • 遺伝
  • ストレス
  • 疾病
  • 薬剤

遺伝的な要因が少なからずあることは明らかになっていますが、うつ病の場合はそれほど強い関与はないと言われています。多くは、ストレスに起因するもので、身近な人との死別や、癌などの大きな病気離婚失業といった不幸なライフイベントが発症のきっかけとなりやすい病気です。

また、女性では出産後にうつ病と診断される「産後うつ」の割合が高い。降圧剤や避妊薬などの薬剤ホルモンバランスに影響を与え、うつ病の発症リスクを高めることがあります。

うつ病の治療法

くすり

薬物療法

●抗うつ薬(SSRI、SNRIなど)

抗うつ薬の主流は、SSRIと呼ばれる「選択的セロトニン再取込み阻害薬」(商品:ルボックス・デプロメール、パキシル、ジェイゾロフト、レクサプロ)で、セロトニンという神経伝達物質が減少することで起こる抑うつ状態を、セロトニンを増やす働きで改善する薬です

その他にも、三環系、四環系、SNRI、NaSSAなど様々な抗うつ薬があり、症状によって医師が適切に処方します。

心理療法

●認知行動療法(保険がきく)

心理療法では、保険適用の治療パッケージとなっている認知行動療法を用いることが一般的ですが、その他の心理療法においても臨床的に効果をあげている治療法は多々あります。特に対人スキルや問題解決スキルを養うことが、うつ病の再発防止には重要とされています。

その他

●電気けいれん法(重度の場合に有効)

電気ショックを与える治療法です。少し変わった方法と思われることが多いですが、重度のうつ病から統合失調症パーキンソン病などの治療にも用いられています。

はっきりとしたメカニズムは分かっていませんが、劇的に症状の回復がみられることも多く臨床的にはとても有効な方法と言われています。

まとめ

うつ病は、心の風邪と言われることがありますが、風邪と表現できるほど軽い病気ではないです。健康な人では想像もできないほどの苦悩や辛さがあります。自殺につながる可能性も高い病気なので、早めの治療が必要です。

まずは、うつ病にならないように安らげる人間関係を持つことや、疲れやストレスを溜めない生活を心がけることが第一です。抑うつが続いたり、ぐっすり寝れないようなときは疲れがたまっている可能性が高いので、しっかりと休養をとることが何よりも大切です。休んでも疲れが取れないときは早めに病院に行きましょう。


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