エディプス・コンプレックスとは

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エディプス・コンプレックス

エディプス・コンプレックスは、フロイトが提示した精神分析の概念。フロイトはギリシャ神話の「エディプス王」になぞらえてこの名を付けている。発達過程において重要な概念とされており、エディプス・コンプレックスが未解決であると社会適応の問題や神経症の発症につながると考えられています。

※エディプス王

ギリシャ神話の登場人物。父ラーイオス王と妻イオカステーの間に生まれるも神託により両親とは別の環境で育つ。実の父とは知らずに父を殺しエディプスは王になる。そして実の母と知らずに娶って4人の子供を持つ。後に事実を知った母イオカステーは自殺しエディプスは目をえぐり追放されるという悲劇の神話。

精神分析の詳細はこちら⇒フロイトの精神分析とカウンセリング

フロイトはこちら⇒フロイトの生涯と貢献

●男児のエディプスコンプレックス

男根期と呼ばれる3歳~6歳の男児には次のような無意識の葛藤があるとフロイトは言っている。

男児「母さんを自分だけのものにしたい」

男児「父さんが邪魔だ」

男児「母さんを自分だけのものにするために父さんのように強くなりたい」同一化

父親「いつまでも母さんを求めるならペニスを切り落とすぞ」

男児「嫌だ!切り落とさないで」去勢不安

男児「強い父さんには勝てない、でも母さんが欲しい」葛藤

男児「ペニスを切られたくないから母さんは諦めよう」願望の抑圧

この流れが適切な成長過程と言われている。葛藤をうまく処理できずに去勢不安が残っていたり、近親相姦的な願望が抑圧できないと神経症の原因なったり社会に適応できないパーソナリティが形成されると考えます。

●女児のエディプスコンプレックス

女児にも同様のコンプレックスがあるとされるが、男児とは異なる。

女児「わたし父さんのようなペニスがないよ」

女児「大きくなったら生えてくるんだよね」

女児「あれ?母さんもペニスがない・・」

女児「わたしのペニスは切り落とされたんだわ」去勢不安・劣等感

女児「母さん?わたしに何てことしてくれたの?!」母への怒り

女児「わたしがペニス(子供)を手に入れればいいのね」

女児「母さんは嫌い、父さんが好き」エディプス・コンプレックス

女児の場合は、切り落とされるペニスがないためエディプス・コンプレックス(父親に対する近親相姦的な願望)は解決しないとされる。

エディプス・コンプレックスはフロイトの病理論では重要な概念ではあるが、批判も多い。シングルマザーなど父親不在だからといって問題が生じるわけではないので疑念視される。また、フロイトの弟子で分析心理学のユングもエディプス・コンプレックスを批判した一人です。

modoru
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